32.レイトVSロクス

小説
主要な登場人物
レイト 
 雷を操れる少年 
 年齢 10歳
 じいちゃんの言いつけで王都へと旅立つ
 正義に生きることを目指している。

ルアル 
 魔法を使う魔術師の少女
 年齢 11歳
 レイトとは旅の途中出会い、一緒に王都を目指すことになる。
 魔法の世界からやってきた魔術師。

ロクス
 炎を操る少年。
 ルアルのペンダントを盗んだのが出会いの始まり。
 自分が生きるなら、他人がどうなってもいいと思ってる!

前回のあらすじ
次の村に向かっている道中に、ロクスがまたも現れた。何やら、レイトたちに因縁があるようで襲ってきたようだ。それを対処にレイトとロクスは勝負する。

まずは、レイトがロクスの元まで駆け出した。

ロクスは右手で炎の塊を作ると、レイトに投げ飛ばした。

「っ!」

レイトは身を左に逸らして交わすと、そのまま突撃すると、雷を宿した右手を打ち込む。

しかし、ロクスも身を退いて交わすと、レイトに一歩踏み込む。

しかし、雷による痺れを感じ取って、そのまま後ろに飛び上がった。

「くっ!」

バチバチと体に雷を宿すレイトを見る。

「こいつに近づくと痺れて動けなくなりそうだ…!」

「どうだ!俺の雷は!」

自信満々に答えるレイトを見て、ロクスは言った。

「近づけないなら、こうしてやる!」

またも両手で炎の塊を作り出すと、レイトに向けて投げる。

レイトは駆け寄りながら、また身をそらして交わした。

「ふっ、同じような攻撃ばかりじゃ当たらない!」

しかし、ロクスの表情はニヤリと笑っていた。

「ふっ、これならどうだ!」

右手を見ると、炎が見える。
そして、そのまま右手の平を前に突き出すと、前方に炎が吹き上がった。

「っっっ!!」

レイトは、前に駆け寄った勢いで、避けることができず、咄嗟に自信の両手を前に構えて雷を放った。

炎と雷がぶつかり合う。
お互い反発するように、打ち消し合い、その勢いでレイトは、尻餅をついた。

「…くっ!な、なんとかなった…!?」

だが、安堵する暇はない。

レイト目掛けて、上からロクスの飛び蹴りが降り落ちる。

咄嗟に体を捻って避ける。

ギリギリのところで交わすことができた。

だが、肝を冷やしている暇はない。
雷を宿すことなく、立ち上がるとすぐさま右手をロクスに打ち出す。

「なにっ!」

咄嗟の行動に、ロクスは回避ができず、そのまま頬にレイトの拳が当たった。

退けそりそうになるも、すぐさま左手を構えてレイトに反撃だ。

「ぐはっ!」

レイトは、腹の溝に打ち込まれる。

殴られたところが、熱く感じ、呼吸がしづらくなる。

だが、負けてられない。
レイトは、右足を振り上げ、ロクスの脇腹に突き刺した。

「ぐっ…!!やったな!」

ロクスも足を振り上げると、レイトに直撃する。

お互い、殴り合う。
まるで泥試合かのように、互いに打ち合う。

そんな2人の姿を後ろで見ていたルアルは、水の魔法を使って、火を鎮火していた。

杖を空中に向けて構え、呪文を唱える。

「クアラ!」

唱えると杖の先に、丸い水の塊が作られる。

それを燃える草木に向けて、杖を振るうことで放つ。

草木は、水に濡れて、鎮火する。

ルアルは、ずっとこの繰り返しで、火を消していた。

またも炎の玉が飛んできた。
草木があっちこちで燃える。

「ちょっ、周り木々なんだから、容赦なく火を放たないでよ!!」

そう叫ぶも聞いていない。

今は、レイトとロクスが真剣に戦っていた。
それを見てルアルは言う。

「もうなんなよ、あいつら」

これは、2人がバカ真面目に戦っていることに対しての言葉でもある。

だが、もう一つの意味もあった。

それは、お互い炎と雷を自由に扱っている姿に対してだ。

(あのロクスってやつ、火の魔術でも火術でもない。きっとレイトと同じ…)

あの若さで、ここまで火の術を扱えるのは、相当の天才でない限り無理である。

それを理解しているからこそ、ロクスも雷を自由に操るレイトも、異常に見えていた。

「この世界は、どうなってるのよ…」

レイトと会ってから驚くことばかりであった。

そんな中、レイトとロクスは何も気にせず殴り合う。

ロクスは、左利き

連載の隙間が開いてしまいました。
次の話もすでにあるので、すぐ投稿します。

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