30.謎の少年、ロクス参上!

小説
主要な登場人物
レイト 
 雷を操れる少年
 じいちゃんの言いつけで王都へと旅立つ
 また正義に生きることを目指している。
ルアル 
 魔法を使う魔術師の少女
 レイトとは旅の途中出会い、
 一緒に王都を目指す。

前回のあらすじ
あの一話に登場した盗賊たちが再来。
しかし、レイトに簡単にやられてしまう。
焦った盗賊のボスの男は、レイトに騙し討ちをしようとするも、謎の足が顔を目掛けて飛んでくる!

30.謎の少年、ロクス参上!

ぐしゃりと、男は、地面に倒れる。

そしてレイトの目の前に現れたのは、焦げた茶色髪をツンツンと尖らした少年だ。

倒れた男の横で、しゃがむように着地し、立ち上がりながら、口を開いて言う。

「ペンダントを盗んだのは俺だ!!嘘つくんじゃねえ!!」

立ち上がると、気絶した男を見下ろしていた。
そんな姿をレイトは見る。

身長も年齢もレイトと同じくらいだ。

「俺は成果を横取りされるのが嫌いだ!」

そう言いながら、ポケットからペンダントを振り上げた。

それを見てルアルは、驚いた。

「あ、あれ私のペンダント!」

そう叫ぶ声に、レイトは、気づかない。

なぜなら、彼は、この少年を見て何かを直感した。

そして、指を刺して言う。

「お前だ!!俺のモヤモヤの原因は!!」

少年とレイトは目が合う。

「お前、誰だ!!」

それに対して素直に名前を教えた。

「俺はレイトだ!お前こそ誰だ!」

そういうと少年は、答える。

「俺はロクス!!」

ペンダントを握った少年はロクスと名乗る。
それを見て、レイトは言った。

「ロクスか!まずペンダントを返せ!」

そういうとロクスは、誇らしげに言う。

「ん?これは俺が手に入れたものだ!返すわけないだろ!」

そう行ってペンダントを目前に持ってくる。

ペンダントの先端には、青く輝く円柱上の水晶がついている。
それを見て、ロクスはニヤリと笑った。

「これ高そうじゃねえか。お金にしてやる」

それに対してレイトは、怒った。

「お前!人のものを勝手に盗んで、売り飛ばすなんてダメな奴がやることだ!」

「はぁ?知らねえ!俺が生きるためなら、なにやってもいいんだよ!」

「ダメだ!人のために良いことして、生きるのが、大事なんだ!」

それにムッと怒り出すロクス。

「お前、レイトだか、なんだか知らないが、偉そうなこと言うなよ!なんで人のために、良いことしなきゃいけないんだよ!」

「知らん!でも、悪いことしちゃいけないのは、当たり前だろ!」

会って早々、喧嘩し合う2人。

あーだこーだ言っていると、徐々に本気になりだし、ロクスとレイトはムキになり始める。

「なら!!俺はお前を倒して黙ららせてやる!」

ロクスがそう言うと、レイトは、受けて立つ。

「なら!!かかってこい!!」

拳を握りしめて、目前に持ってくる。

今にも2人が戦い始めそうになる。

だが、夢中になっている2人は、気づかなかった。

2人の横にルアルが立っている。

「ちょっと!!」

大きな声を上げると、2人は、同時に振り向いた。

その瞬間、ルアルは、ロクスの腹部に、魔力を込めた拳を打ち込んだ。

「ぐはっっっっっ!!!!」

そのまま吹っ飛んでロクスは、仰向けに倒れた。

レイトは、その光景を見て口を半開きにしていた。

ルアルは、ロクスの元へ歩く。

そして手元から、離れたペンダントを拾い上げる。

「ふん!」

鼻を鳴らして、レイトの方へ振り向いた。

「行きましょう」

澄ました顔で、そのまま歩くレイトの横を通り過ぎた。

「あ…え…」

レイトは、ロクスを二度見してルアルを見る。

「良いのか…これで……」

独り言のように呟く。
ルアルはそれに答えるよう言う。

「良いのよ、そいつが私のペンダントを盗んだんだから…それに」

区切りをつけて、振りむきざまに、ロクスを睨みつけた。

「女がお風呂に入ってる時に、突撃するようなやつは、絶対に許さない…!!」

明らかにペンダントよりも、その恨みが高い。
そんな姿を見て、レイトは震え上がった。

「お、おう…」

レイトは、親鳥に続く小鳥のように、ルアルの跡をついて行った。

周りにはロクスを含め、盗賊たちが倒れていた。

そんな中で盗賊のボスを務めていた大柄な男は、目をうっすらと開けて言う。

「もう、こいつらに関わるのはやめよう」

そう言って、レイトたちに関わらないことを決めたのだった。


順調に書いていると思ってたけど、もうストック切れました。
新たに執筆中なので、再来週までには投稿します!!

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