第一話 雷を操る少年

小説

1.雷を操る少年

「先生なぜ、騎士団を抜け王都を出るのですか!?」

自分の弟子であるフレイは王都の正門で立ち去ろうとしている私の後ろで声を上げた。

「私はやらなければならないことがある」

私がこう言うとフレイは、少し怒り気味に言った。

「それはなんです!?王都から称号までいただいたのに、その称号を捨ててまでやることとは!」

フレイの疑問に私は答える。

「私は夢を見た。その夢は神のお告げであった」

フレイは、理解できず不満に満ちていた。

「先生は、その見た夢のために騎士団を抜けると言うのですか!?」

馬鹿げていると言わんばかりにフレイは答えた。
たしかに馬鹿げている。見た夢のために自分の位を捨てるのだから。

『この王都から南西にある小さな村で、産まれる子を育てるのだ』

私は、夢の中で
この神のお告げで騎士団長の位を捨てることに決め、王都ハヴァレルから去ることを決めたのだ。

「そうだ、フレイよ…私をどうか許して欲しい……」

それを聞いてフレイは、体を震わせた。

「そんな私は、まだ…」

フレイの口から細く悲しんだ声が漏れる。

「大丈夫だ。君は優秀だ。私がいなくてもきっと騎士団長になれる。その素質がある」

そう彼女は優秀なのだ。若くして火術を使いこなし、それを自分の剣技に応用し騎士団の中でも強さは群を抜いている。

それがわかっているからこそ私はフレイの場を離れる決心ができたのだ。

しかしフレイから、すすり泣く音が聞こえる。

「……まだ…先生から学びたかった……」

「………すまない」

私は一言謝った。フレイを家族同然に見ていたからこそ、フレイの気持ちを考えると悪いことをしたと思っている。
ただあの神のお告げはこの世界の危機のためにあるのだとそう感じてならないのだ。

私は、そのまま背を向けフレイの元を立ち去った。

〜そして時は流れ〜

「てめぇよくもやってくれたな!」

盗賊の大柄な男は、怒号する。
なぜ怒号しているかいうと俺がぶん殴ったからだ。

「うるさい!俺は、お前がやってることに苛立ってんだ!」

大柄な男の身長の半分もない少年が言った。

「あぁん?この店はガキが来るようなとこじゃねえぞ」

そう、このお店は小さな村の酒場である。
そこでたまたま騒動になってるのを知り、少年は駆けつけた。
客は皆外へと出ていき、今や少年と盗賊団だけが争いごとを始めようとしていた。

「てめぇらやるぞ!このガキ痛い目にしてやる」

するとズルズルと後ろから、この男の仲間が立ち上がり武器を構える。

少年は拳を構えた。

「なんだ、このガキ…」

青白く輝く光に驚いて盗賊たちは、一歩下がる。

「おい…お前が行け!」

下っ端に命令し、ナイフ構えて突撃してくる。
レイトは、それを身軽に避け思いっきり頬を殴りつけた。部下は横に倒れる。

「おい、お前もお前も5人でかかれ!」

そう言って前に出てきた子分達が、それぞれ武器を構えて近寄ってくる。

「ガキ…悪く思うなよ」

「俺らに喧嘩を打ったのが悪かったな」

「お前を殺してやるよ」

レイトは、身構える。そして腰につけた剣を抜いた。

剣を構え、相手の動きをよく見る。

2人がナイフにハンマーが1人

最初にハンマーだ。
大振りに振りかざしてきたので、相手の脇腹目掛けて飛び蹴りをくらわせ倒れ込んだ。
後ろの相手が驚いていたが、飛び込んできてナイフを振るう。
レイトはそれをかわして2人を殴り込んだ。

「どうだ!」

剣を構えた。
盗賊団の長である男は愕然としている。

(おいおい…なんなんだよ、このガキ……
剣もつかわずに4人で行って全く歯が立たないじゃねえか……)

部下全員倒れ込んだ状況を見て、大柄の男は身構えるのやめた。

「すまなかった…小僧、俺が悪かったよ……」

「小僧じゃない!レイトだ!」

「ああ…レイト悪かった、もうやらないし反省する」

「本当だな?」

「本当だ……しかしな、そりゃあ食べ飲みして、金払えねえからって大暴れしたのは悪い。でも俺ら盗賊も大変なんだよ、最近はどこも値段がたかくて仲間を養うのも精一杯なんだ…」

そう言って倒れた部下達を踏みつけてレイトに近寄ってきた。

「お前達も大変なのか?」

レイトが不安そうに尋ねると男は微笑む

「そうだよ…大変だよ、この世の中を変えてもらわなきゃな」

「どうしたらこの世が変わるんだ?」

そう尋ねると男はこう答えた。

「王様になれば解決するよ」

男は冗談のつもりで言った。

「そうなんだな、じゃあ俺王様になるよ」

レイトが真面目に答えたことに驚いた。

(は?このガキバカなのか…まあいいか)

男はレイトの目の前まで来た。

「じゃあレイト頑張って王様になってくれ!とこれは先ほど部下のお詫びだ」

右手をポケットに入れゴソゴソと手を動かし、レイトのために屈んで閉じた右手を目の前に置く。

「なんかくれんのか?」

レイトはそういうと剣を鞘にしまい右手を見る。

そこで男はニヤリと笑い、左手を思いっきりレイトの顔面目掛けて振り下ろした。

「っ……!!」

左手は、レイトの顔面に直撃し倒れ込んだ

「バーカ!!…盗賊が簡単に反省するかよ!何が王様になるだこの世間知らずが!!お前みたいなバカはな!俺らの餌食になればいいんだよ!!!」

続けてレイトの腹に蹴りを入れる。

「ガーハッハッハッハ!!」

男は大笑いした。

(所詮はガキ、騙せば余裕だ!)

しかしレイトは立ち上がった。
顔はうつむいてる。

手を震わせるほど握りしめている。

「お前はもう許さない」

そう呟いた。

男はそれを見て驚く。
レイトの周りには白い光を輝かせながら音を立てる。
その少年の周囲を青白く輝く光は、まさに空を掛ける雷そのものだった。

(こ、こいつ…なんなんだ!)

「お前はもう…」

音は激しくなる。

「ひっ…」

「ゆるさなああああい!!!」

その叫びとともに白い光は全てを包み込み大きな雷鳴ともに爆発した。


修正
1.一部文をすすり泣く、振り下ろしたに変更
2.盗賊の人数直しました。

今回ブログで連載する小説の初投稿!
待ちすぎてやっとかってとこだ
内容はどうだった?
ぜひ感想欄で聞かせろ

コメント

  1. 踏みながら謝罪はせんやろ、使うなら「役に立たねえなクソ部下が!」って表現のときやろ

    • そこはいい人を演じてるという理由で暴言は吐かないようにしてる
      ただ行動だけは上手くできなかった的な

  2. 雷って爆発するの?

    • たしかに…
      爆発しないね
      なんか別の理由考えとく

  3. 3人がナイフにハンマーが1人
    ハンマー倒した後、
    後ろの相手が驚いていたが、飛び込んできてナイフを振るう。
    レイトはそれをかわして2人を殴り込んだ。
    ってあるけど、ナイフ使いの攻撃かわして2人倒しただけよね?
    ナイフ使い一人残ってるよね?

    • あざす!
      そこは全体的に直す予定

  4. するとズルズルと後ろから、この男の仲間が立ち上がり武器を構える。
    ズルズル・・?
    ゾロゾロでは?

    • 変えときます…

  5. 「小僧じゃない!レイトだ!」

    を急いで読んだら

    「小便じゃない!トイレだ!」

    に見えたわ

    • そう言われるとそれにしか見えなくなった…

  6. とてもよかったと思います

  7. 誤字
    俺らに喧嘩を打ったのが悪かったな

    誤)
    喧嘩を打った

    正)
    喧嘩を売った

  8. 「先生、なぜ帝都を去るのですか?」
    フレイの声が、帝都ハヴァレルの高き城壁に反響した。

    「私は、未来を変える選択をする」
    私は背を向けたまま答えた。

    「未来?帝国から叙勲されたあなたが、何を変えると言うんです!」

    フレイの語気は荒い。若さと、まだ知らぬ世界への恐れ。

    「…..夢を見た。神からの”啓示”を受けたのだ。南西の辺境に、次の”稲妻の器”が生まれる」

    フレイの眉が動く。彼女には、啓示の実在が信じられないだろう。

    「そんな夢のために、私を置いて行くのですか…..?」

    「君はもう、日の剣を操られる。私がいなくても、立てる。そう信じている」

    少女は震え、泣き、そして——–私は歩き出した。すべては雷の子のために…..

    ~時は流れ~

    酒場の天井から垂れ下がるランプが、チカリと明減した。
    湿った空気と古い木材の匂いの中で、怒声が響き渡る。

    「てめぇ、よくもぶん殴ってくれたな!」

    大柄な男が、赤く腫れた頬を押さえ、低く唸るように言った。
    その前に立つのは、彼の身長の半分ほどしかない少年-—-レイト。

    「うるせぇよ。お前がこの村でやっていること、全部みてたんだ」

    少年の声は震えてはいない。ただ、雷の前の空のように張り詰めている。

    男の後ろから、乱暴な足音が響く。
    泥と酒の匂いをまとった連中が椅子を蹴り倒し、武器を構え始めた。

    「ガキがでしゃばるな!この村の掟は、俺たちが決めるんだよ」

    その瞬間、空気が変わった。

    レイトの身体を中心に、白く淡い光が立ち上がる。
    それは煙ではない。水蒸気でもない。ただ空間そのものが振動している。

    「…..雷素反応…..」

    盗賊の一人が、息を呑む。

    彼らの目の前にいるのは、ただの”ガキ”ではなかった。
    ——人ならざるものの力を帯びる者。

    「来いよ。全員まとめて、かかってこい!」

    レイトが右手を上げた瞬間、青白い稲光が空間を走った。

    3人が同時に飛びかかる。ハンマー、短剣、鉄の棒—–。
    武器の重みと殺意が迫る刹那、レイトはその間を滑るように動いた。

    一閃。
    雷の速度に似た一撃が、ハンマー男の脇腹を捉える。

    「ぐっ…..あ…..」

    男が呻き倒れるより先に、レイトは踵を返し、後方の短剣を振り払った。
    拳が、光を帯びていた。殴打のたびに静電気が走る。

    2人、3人—–すべてが沈黙するまでに、1分もかからなかった。

    盗賊団の長は、その場にへたり込む。

    「…..す、すまなかった。お、俺が悪かった…..」

    「あ、ああ…..レイト…..立派な名前だよ…..」

    男は苦し紛れに笑い、ポケットに手を入れ、何かを取り出すように見せかける。

    「これは….その、さっきの無礼への詫びだ。受け取ってくれ…..」

    レイトは一歩、警戒を解く。

    その瞬間、男の左腕が閃いた。拳が、容赦なくレイトの顔面に振り下ろされた。

    「…..っ!」

    顔面に衝撃。レイトは床に転がる。

    「ハッ!甘いんだよ、ガキが…..!!この世界で正義だの夢だなのと言ってる奴は、まず殴られるんだ!」

    男の足がレイトの腹を蹴りつける。背中の床板が軋んだ。

    笑い声が酒場に響く。

    だがレイトは立ち上がった。

    顔を伏せたまま、拳を強く握っている。
    皮膚の下で、雷の紋様が脈打ち始めた。

    「…..お前はもう、許さない」

    静かに、呟く。

    雷素粒子が渦を巻く。空間が軋む。
    やがて、それは轟く雷音となって解き放たれた。

    「ゆるさなああああああいっ!!」

    閃光。雷鳴…..そして、爆発。
    酒場全体が青白い光に包まれ、世界が一瞬静止した。

    • 一から添削していただきありがとうございます。
      どうやら自分にはそこまで書けそうにないです…

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