42.非力で悔しいトウロ

小説
主要な登場人物
レイト 
 雷を操れる少年
 年齢は、10歳。じいちゃんの言いつけで王都へと旅立ちながら、 困ってる人を助ける。じいちゃんに言われた通り、正義に生きることを目指して王都に向かっている。

ルアル 
魔法の世界からやってきた魔術師の少女。ピンク色の髪で普段はツインテールにしている。蒼い目(通称 月の目)を持つ。年齢は11歳。レイトとは旅の途中に出会い、一緒に王都を目指すことになる。目的は姉を探すこと。

ロクス
炎を操る少年。赤茶色のツンツンとした髪型をしている。年齢はレイトと同じ10歳ルアルのペンダントを盗んだのが始まり。ひょんなことから一緒に旅をすることに。レイトとは違い、自分が生きるためなら、他人がどうなってもいいと思ってる!

メア村の登場人物
トウロ
メア村の門番をしている。生真面目な性格。

コウウ
メア村の村長。

ディーボット
ダーマ教を布教する教祖ダーマの手下?
子供すら容赦なく手を出す非道。
人が苦しむ姿が好き。

ダーマ
ダーマ教を布教するためにきた教祖。

「私を連れていけば、いいんでしょ?だから、無闇に暴力を振るうのはやめて」

横で血を流しているレイトを見ながら、辛そうに答えた。

そんなルアルを見てディーボットは、足を下ろす。

「ああ、ガキどもを痛ぶるのに集中していた」

ディーボットは、ルアルの前に屈むと、懐から取り出したナイフで足を縛っている縄を切る。
そして、ルアルの後ろに回ると、ナイフを背に突き当てた。

「騒いだら、わかってるだろ?」

ルアルの全身に緊張が走る。
奥歯を噛み締めながら頷く。

「わかったわ」

ディーボットは、ルアルの左腕を掴んで強引に立ち上がらせる。そしてナイフ突き付けながら、前を歩くように指示した。

ルアルは、素直に従って歩き出した。
その時、苦しそうに顔を歪めるレイトが言う。

「待て…!」

それを聞いて、ルアルはレイトの方へと振り向く。そこには、血を流しながら、睨みあげるレイトがいた。まだ反抗心はあるようだが、ルアルは申し訳なさそうに、ただ一言伝える。

「レイト…私は大丈夫だから…」

ディーボットは、諦めたようなルアルのその姿と、どうやっても抵抗できない非力なレイトを見て、口角を上げた。

「よかったな、お前は、女のおかげで助かったんだぞ」

レイトを見下し、高笑いする。
周りの村人も哀れむようにレイトたちを見ている。

悔しい。
その思いがレイトの中で、強く感じさせた。

ディーボットは、ルアルを前に歩かせながら出口へと向かう。その途中、トウロの近くを通る時、彼に小声で耳打ちした。

トウロは、愕然とし、レイト達の方を見る。そんな姿を見て、最後にディーボットは鼻で笑うと、宿を出て行った。

周りには村人とレイト、そしてロクスが残った。

先ほどとは違い、静まり返っている。
村の人々は、罪悪感に押しつぶされそうになっていた。

そんな中、レイトは、怒りで歯を食いしばっていた。

「この縄!解いてくれ!」

そういうと、目前にいたトウロはレイトから目線を外した。

「すまない、君たちの縄を解くことはできない」

さらにレイトは声を上げる。

「ルアルが!連れてかれてるんだ!!助けに行かなきゃいけない!!」

悔しそうにするレイト。
それでもトウロは首を横に振った。

「さっきディーボットに、君たちを解放しないように言われた」

「なに!?」

「さっき、『こいつらは後で俺が遊ぶから、解放するな』と言われている」

トウロの話を聞いて恐ろしそうに村人達はざわついた。

「言っただろう。ディーボットは恐ろしいやつだと。きっと、君たちを解放すれば、違う村人が、同じ目に遭う…」

そして、レイトに対して頭を下げた。

「すまない。俺たちには逆らう力がない。」

トウロは無気力だった。自分たちには、力がない、逆らえない、そして救えないことを、謝罪するしかなかったのだ。

それを聞いてレイトは首を横に振った。
そしてトウロを見て言う。

「…確かに、あいつは強くて酷いやつだ。だから逆らっても、痛い目しか見ないし、止められない。だけど、村長が言ってた通り、あいつをそのままにしても、どうにもならないぞ」

「なら、どうすればいいんだ。」

トウロは倒れて気を失っている村長を見る。
村長もディーボットに逆らったから、痛い目を見ている。そんな姿を見ると恐怖が込み上げてくる。

「どうすれば…いいんだ…」

ただ、そう呟くしかできない。
悔しくて体が震え、涙が溢れてくる。
誰も敵わない。

そう思っていた時に、レイトは言う。

「俺に任せろ」

そういうとレイトは目を瞑る。
そして自身の体から、バチバチと音を鳴らしながら、青い雷光を見せる。
それをトウロ含め村人達は、驚くように見ていた。

雷は強くなり、レイトは唸る。

「ううう!!」

そして精一杯の力を使って腕と足を広げた。

「うりゃあ!!」

バチバチと音を鳴らしながら縄を焼き飛ばす。
村人達みんなが、その力に驚愕する。

レイトは、鼻血を手で拭うと、その場で立ち上がる。そしてトウロ含め村人達を見ると言う。

「あいつの居場所を教えてくれ」

そこには勇ましく立つレイトがいた。
トウロや村人達が、絶望した中で、その姿は輝いて見える。
そしてある想いがよぎった。

『この子なら、なんとかしてくれるかも』

トウロはレイトに居場所を伝えようか、心が揺らぐ。

その瞬間。

レイトの隣で炎が上がった。
驚いて、レイト含め全員が視線を集める。
そこには、顎を強く打たれて一時動けなくなっていたロクスが立っていた。

「痛え、やっと動ける…!」


最近暑くて暑くて、辛いです。
北海道もエアコンないとダメかもしれない。

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