47.ダーマとルアルの圧倒的実力差

小説
主要な登場人物
レイト 
 雷を操れる少年
 年齢は、10歳。じいちゃんの言いつけで王都へと旅立ちながら、 困ってる人を助ける。じいちゃんに言われた通り、正義に生きることを目指して王都に向かっている。

ルアル 
魔法の世界からやってきた魔術師の少女。ピンク色の髪で普段はツインテールにしている。蒼い目(通称 月の目)を持つ。年齢は11歳。レイトとは旅の途中に出会い、一緒に王都を目指すことになる。目的は姉を探すこと。

ロクス
炎を操る少年。赤茶色のツンツンとした髪型をしている。年齢はレイトと同じ10歳ルアルのペンダントを盗んだのが始まり。ひょんなことから一緒に旅をすることに。レイトとは違い、自分が生きるためなら、他人がどうなってもいいと思ってる!

メア村の登場人物
トウロ
メア村の門番をしている。生真面目な性格。

コウウ
メア村の村長。

ディーボット
ダーマ教を布教する教祖ダーマの手下
子供すら容赦なく手を出す非道。
人が苦しむ姿が好き。

ダーマ
ダーマ教を布教するためにきた教祖。
炎の魔術「サンクトニグス」を使う。

その頃、廃れた協会では…

ダーマが一生懸命に炎の魔術を放っている。

(…なぜだ…なぜだ、なぜだ、なぜだ、なぜだ!!)

サンクトニグスが放つ火球は、ルアルに当たらない。いや、厳密には当たっているが、全て打ち消されてしまっている。

ルアルの周りには魔法の層が張られており、それが火球を打ち消している。

焦るダーマに、ルアルは言う。

「あんたの力は、それだけ?」

首を軽く傾げるルアルは、杖先をダーマに振るうと、青白く光る魔法の玉がまっすぐダーマへ飛んでいく。

「!?」

反応できず、玉が豊満な腹部に直撃すると、破裂する音と共に鈍器で殴られたような衝撃が伝わる。

「ぐがっ!!」

ダーマは転がるように後ろへ吹き飛んで、仰向けで倒れる。

「な、なんてやつだ…」

小声で呟きながら怯える。
ルアルとダーマの扱う魔術には、圧倒的なまでに差があった。ダーマは炎を放つ魔術しか使えない。それなのに、その炎を打ち消す魔術をルアルは使っていた。

「ぐぅぅー」

唸るダーマは、勝てる方法を探して、空のない天井を眺めた。

「どうしたのよ?もう終わり?」

冷酷な声が聞こえる。
それにダーマは答えない。

(この小娘に勝つには……」

ふと考えが思い浮かぶ。
そして痛いお腹を抑えて立ち上がった。

「あまり…調子に乗るな小娘がぁ」

苦しそうに、言い放つがルアルは気にする素振りもしない。相手としてみていない。
そんな姿に、黙って、歯を食いしばっていると、逆にルアルから問いかけられた。

「あんたその魔術、どこで学んだのよ」

「私のこれは神から与えられた力だ!」

「そういうのいいから」

ルアルが呆れながらダーマにつっこむと、ため息をついた。

「あんた、魔法学院出身じゃないでしょ」

それに対して、ダーマは首を傾げた。

「なんだ魔法学院とは?」

その返答に予想通りとルアルは頷く。

「やっぱりね、あんた基礎が全くできてない。そもそも才能があるように見えない」

「才能がないだと…?私のサンクトニグスは完璧な魔術だ!バカにするなよ!」

ダーマは怒りを見せる。
それに対してルアルは気にせず、淡々と話を続けた。

「そう、あんたの魔術は、完璧。でも、それは基礎がないとできないはずなの………私は、魔力の流れが人より見えるけど…あんたのそれは、まるで…他人の魔術をそのまま使ってるみたいに歪に見えるわ」

頭の中で考えるが、わからない。

「…まあ、おかしい奴を2人見てるから、あまり気にしてなかったけど…」

そのおかしい奴は、雷を自由に操るレイトと炎を自由に操るロクスである。しかし、その2人は不自然なほどに自然な魔力の流れをしている。だからこそダーマのそれは、余計に歪に見える。

「ねえ、もう一度聞くけど、それはどこで教わったの?」

真剣な眼差しを向けて問い詰める。
ダーマは、黙った後に、歯を噛み締めて怒り出した。

「うるさい…これは、私の力だ!」

強く言い返すと、燭台を掲げた。

「この力さえあれば、私はなんでもできるのだ!」

頭上に燭台を模した魔法陣が浮かぶ。

「生意気なガキが。もう容赦はしないぞ!」

それに対して、ルアルは呆れたような仕草をする。

「また、同じことの繰り返しよ」

余裕を持って杖を構えたルアルに、ダーマは燭台を振り続けた。火球が放たれるが、先ほどと違い、四方八方に火球を放つ。

「どこに放ってるのよ!」

ルアルを囲むように張られた透明な層は、火球を打ち消す。しかし、周りに放たれた火球は、廃れた木の椅子や装飾品に燃え移り、煙が立ち込める。

教会内が、炎に包まれ始める。
煙がルアルの目前を覆う。

「…目眩しってこと?」

「これで、お前はおしまいだ!」

ダーマは炎を放ちながら自信満々に答えるが、それでもルアルは、余裕な姿を見せる。そして杖を振るうと、自身の周りに風を吹かせた。

「何がおしまいよ!私を舐めないでよ」

渦を巻くように風が吹くと、煙は、破れた窓を通って外へと運ばれた。視界が良好になり、頭上に魔法陣が浮かぶダーマの姿がはっきりと見える。彼は、ニンマリとした笑顔を見せ、燭台を振るった。魔法陣から放たれた火球は、ルアルを目掛けるのではなく、天井へと放たれた。

その突拍子のない行動に、つい火球を視線で追うと、ちょうどルアルの頭上の屋根が燃えていることに気づいた。

「……まさか!?」

ルアルがそう言った時には、もう遅い。
木造で作られた屋根は、放たれた火球の直撃によって、爆炎と共に崩れ落ちた。
ダーマは勝ち誇った笑みを見せて言う。

「懺悔する前に死ね!」

枯れた教会の屋根が落ちる。
屋根は、地面に叩きつける轟音と共に灰と火の粉が舞った。


ルアルの名前は実は初期と違ってます。
アルテ→ルルテ→ルアル
こんな感じで変わりました。

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